ガサガサ肌にならないように「かぶれ」の原因を特定しよう | カナクリニック | 池袋の痩身・医療ダイエット・レーザー脱毛の美容クリニック

池袋西口
徒歩1分

コラム | カナクリニック | 池袋の痩身・医療ダイエット・レーザー脱毛の美容クリニック

COLUMN

ガサガサ肌にならないように「かぶれ」の原因を特定しよう

カテゴリー:コラム

2021年8月14日

images

かぶれ(接触性皮膚炎)には刺激性とアレルギー性の2つの原因があります。共に原因物質の除去、ステロイド外用や抗ヒスタミン剤内服が有効です。長期間放置して慢性化すると、苔癬化(暑くなってガサガサになること)するので、早期に原因を特定し、避けましょう。

コロナ禍、長くなってきましたね。2020年の春先はマスクが全世界的に品薄で、50枚入りのマスクがメルカリで4000円くらいで売られていたのが懐かしいです。当時、院長が勤務医をしていたときの職場では、マスクは2日に1枚なんていう、今では信じられないようなことが行われていました。
街行く人がみんなマスクをしている今となっては信じられませんね。

カナクリニックは美容皮膚科のクリニックですが、お肌に関するお悩みとしてマスクかぶれの相談を受けることが多いです。今回はかぶれについて一緒に勉強していきましょう。

かぶれ(接触性皮膚炎)とはなにか?

いろんな原因で皮疹(赤くなったり、紫になったり、腫れたり、イボができたりなど)が発生して、一言で「かぶれ」と言っても混乱する方がいるかも知れません。

今回扱うものは何かというと医学用語では接触性皮膚炎と呼ばれるものです。

有る特定の原因物質がある
原因物質に接触することで発生する湿疹
接触した部位に一致して皮膚にかゆみを伴う皮疹(赤み、腫れ、水疱)が起きる
パッチテストが陽性になる
上記の特徴があります。

例えば、注射で体内に入った物質が体に合わず、全身で赤くなるような場合は、皮膚が接触した部位(注射部位)と症状が出ている部位が違うので、接触性皮膚炎とは呼ばないです。
※全身投与された薬剤による皮膚障害は薬疹と呼ばれます。

接触性皮膚炎の原因

かぶれ(接触性皮膚炎)を起こす原因は、ネックレスなどの金属や、化粧品、漆やマンゴーなどの植物などが有名です。*1,2

原因となりやすい代表的な物質を並べると以下のようになります。

植物 ・ウルシ(ウルシオール) ・サクラソウ ・イチョウ ・キク ・ユリ
食物 ・マンゴー(ウルシオール) ・ギンナン ・シイタケ
金属 ・メガネ ・ピアス ・ネックレス ・歯科金属
金属成分 ・ニッケル ・クロム ・コバルト ・水銀 ・金
日用品・
化粧品
・ゴム製品 ・洗剤 ・シャンプー、リンス ・灯油 ・整髪剤(パラフェニレンジアミン) 
・その他化粧品に含まれる香料や保存料
医薬品 ・外用薬(NSAIDs,抗菌薬,抗真菌薬,ステロイド) ・消毒液 ・点眼液
職業性曝露物質 ・機械油 ・ゴム製品 ・樹脂(レジン) ・各種金属

表1

という感じです。実は、あらゆる物が接触性皮膚炎の原因になりうると言われています。
そのため、記載されていない物質でかぶれ症状が起こった場合でも、接触性皮膚炎である可能性があります。

なぜかぶれるのか?

概要

接触性皮膚炎は、発生するメカニズムにより、刺激性接触性皮膚炎アレルギー性接触性皮膚炎に分けられます。*2

一言でいうと
接触性皮膚炎は「一定以上の刺激」があれば「誰でも」「初めて触れた時」から発生する
アレルギー性接触性皮膚炎は「初めて触れたときは起こらず」、「アレルギー感作した人」だけ「僅かな刺激」でも発生する
というものです。

詳しく見ていきましょう。

刺激性接触性皮膚炎はなぜ起こる?

刺激性接触性皮膚炎は、アレルギーではないので、免疫細胞は関与しません。接触した物質そのものの毒性によって表皮の一番外側の層に有る角化細胞が傷害(破壊)されます。
そうすると、細胞からリソソームや各種サイトカインなど、炎症を発生させる物質が漏れ出します。
その物質の働きにより、毛細血管が拡張して紅斑(赤み)になったり、滲出液が出て浮腫(むくみ)になったり丘疹になったりします。*2

刺激性接触性皮膚炎はバリア機能低下でも発生する

この説明だけだと、例えば金属とか機械油とか、外的な要因でだけ発生するようにも見えます。もちろん、灯油など毒性が著しく高い物質はそのとおりです。

近年は、頻回の手洗い等による皮膚のバリア機能が低下を背景にして、石鹸やシャンプー、ゴム手袋などの職業性物質(職種によって、触れる頻度が高い人と低い人が分かれる物質)に頻回にさらされることで発生する刺激性接触性皮膚炎も増えています。*3
なんと、職業性皮膚疾患の80%を占めているともいわれています。

マスクかぶれはほとんど刺激性接触性皮膚炎

コロナ禍が始まってから増えたマスクかぶれや手荒れは、主として刺激性接触性皮膚炎の人が多いです。(まれにアレルギー性もあり)*4

マスクによる接触で皮膚のバリア機能が低下するが原因ですので、後述するように原因物質、この場合マスクをしないことが接触性皮膚炎の治療という意味では有効です。

湿疹になってしまっていれば、その治療が必要ですが、赤いプツプツがあるなど、あせもの場合は、高温多湿を避ける以外にもイオントフォレーシスなどを検討しても良いかもしれません。

アレルギー性接触性皮膚炎はなぜ起こる?

アレルギー性接触性皮膚炎は、名前の通りアレルギーなので、免疫細胞が関与します。皮膚を通過して体内に侵入した原因物質が、表皮の抗原提示細胞(免疫の見張り役)であるランゲルハンス細胞に補足されることから始まる一連の免疫の反応によって原因物質が「抗原」として認識され、それに対する免疫が反応する体制が整います(感作の成立)。

そして、感作が成立した後に、原因物質が再び侵入した際に免疫が活性化して各種サイトカインを放出し、速やかに炎症反応が発生して皮膚炎になります。*2

ほんの僅かな量でも反応する場合がある

アレルギー性接触性皮膚炎の反応形式だと、初回の刺激では発症しないこと、監査した人にした発症しないことが言えますが一度感作されると微量の抗原であっても発症しうるという点が特徴的です。
どこまでの量なら大丈夫という閾値がないという意味において、刺激性接触性皮膚炎よりも注意を要します。

特定の名前がある接触性皮膚炎

接触性皮膚炎の中には、特定の臨床像(その病気にかかると一般的にどうなるか)を示すものがあり、そういったものには固有の名前が付けられています。ここでは、3つの具体例を示します。

  • 手湿疹Name.01

    巷で言うところの「手荒れ」です。頻回の手洗い、水仕事を行う人に発生します。古典的には主婦に多いとされているので「主婦湿疹」とも呼ばれます。皮脂が減ったり、角質が傷害されたりして外的刺激を受けやすくなり、洗剤などに対する接触性皮膚炎が発生した状態です。

  • 口なめ病(舌なめずり皮膚炎)Name.02

    唾液や食べ物による刺激性接触性皮膚炎で、乳幼児〜小児の口周囲にできることが多いです。

  • オムツ皮膚炎Name.03

    赤ちゃんがオムツを付けている部分にできる刺激性接触性皮膚炎。おしっこのアンモニアや、常在菌が作る皮膚刺激物質によるものです。

皮膚カンジダの可能性もあり!

上記3つの皮膚炎は、マスクかぶれと比較しても、更に水分や湿気が多い環境に長時間さらされることで発生しています。

そうなると、カンジダ症と鑑別(区別)する必要が出てきます。*5

湿った指の間、特に中指と薬指の間の水かきの間に、中心がただれている、白くふやけた角質が見える湿疹で、痒みや軽度の痛みを感じるものがあれば一度受診を検討しても良いかもしれません。

カンジダは皮膚の常在真菌なので、皮膚に存在すること自体は問題ないのですが、高温多湿、不潔、免疫力低下などさまざまな原因で異常増殖を起こします。治療の基本は、水分をよく拭き取って乾燥させ、清潔を保った上で抗真菌薬の外用を行うことです。重症であれば、抗真菌薬の内服を検討することもあります。

かぶれを放っておくと苔癬化する

ところで、なぜ接触性皮膚炎は対処しなければならないのでしょうか?放っておけば治るのでは?
と思う方も居ると思います。

実際に、その人にとって特殊な状況で原因物質に曝露して、一時的に接触性皮膚炎になっている。
原因物質と触れることはもう一生ないだろう。
という状況であれば、放置しておくのは場合によっては悪くはありません。

なぜ含んだ言い方かというと繰り返し原因物質に触れて、ずっと炎症が発生している状態が続くと膠原線維(コラーゲン)が増加したり、角質が増大(過角化)などで皮膚が厚くなってゴワゴワした状態に変化していきます。これを、皮膚科の用語で苔癬化と呼びます。

アトピー性皮膚炎などで慢性的に炎症が有った関係で、首や肘、膝などの皮膚が茶色くガサガサってになっているのと同じ皮膚状態です。苔癬化の過程は不可逆的なので、そこまで悪化した状態で治療・対処をしてももとには戻らないです。そういう意味で、早期発見、早期治療が大切ということができます。

接触性皮膚炎の治療・対処方法

これまで述べてきた理由から、接触性皮膚炎における治療で最も大事なことは、【原因物質の除去】です。*2そして、ステロイド剤の外用と、かゆみに対しては抗ヒスタミン剤(花粉症などでも出される薬)の内服が有効です。
アレルギー性接触性皮膚炎に関しては減感作療法を行う医療機関もありますが、効果についてはまだなんとも言えない状況です。

パッチテストで2つの接触性皮膚炎を区別する

ちなみに、どうやって刺激性接触性皮膚炎とアレルギー性接触性皮膚炎を区別するのでしょうか?
どちらも、原因物質を避けることが大事とはいえ、どの程度慎重に避けるべきか?に関わるので、自分の湿疹はこの2つのどちらだろう?という区別は付けておきたいですよね。その方法としてパッチテスト(貼布試験)があります。*2
湿疹の原因物質と疑われる物質を皮膚に貼布して48時間後に反応を見る試験です。紅斑(赤み)、浮腫、丘疹(ぶつぶつ)、びらん(ただれ)が起きれば陽性と判断されます。貼布する基材で反応して偽陽性になる事もあります。
DermNetNZの写真
※DermNet NZから引用

パッチテストでは、縦の列に同じ物質を、上から下にかけて濃度が高くなるように貼布していきます。
図の真ん中の上側の様に、一部だけ陽性になる場合は、原因物質の濃度に依存しているので刺激性接触性皮膚炎(一番上だけ反応しているのは偽陽性)
その一つ右の様に、全てが陽性になる場合は原因物質の濃度に関係ないのでアレルギー性接触性皮膚炎と区別することができます。

まとめ

・いわゆる「かぶれ」は接触性皮膚炎
・アレルギー性と刺激性の2つがあり、パッチテストで区別可能
・両方とも治療の基本は原因物質の除去
・湿疹にはステロイド外用、かゆみには抗ヒスタミン剤内服
・長期化すると苔癬化するので早期治療が必要
・カンジダ症の可能性も有るので、自己判断せず、早めの受診を推奨


オンライン診療「クリニクス」