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母子両方への影響を減らす為にSLEは症状が落ち着いてから妊活を

カテゴリー:コラム

2021年11月26日

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全身性エリテマトーデスとは、免疫複合体(その名前の通り 抗原と抗体からなる複合体 )が組織に沈着して起こる自己免疫疾患(免疫が正常に機能しなくなり、自分の免疫システムが自分自身を攻撃する病気)と考えられています。
全身性エリテマトーデスの原因は、現在の医学でも解明できていません。
色々な研究を通して、全身性エリテマトーデスには
・遺伝要因(遺伝的な背景)
・環境因子(ウイルス 紫外線 薬剤 ホルモン)
・自己抗体の産生
が関与していると考えられています。

こんにちは。院長です。今回から何回かにかけて、膠原病と呼ばれるカテゴリーの病気についての記事を書いていこうと思います。簡単にいうと、自分の免疫細胞が自分の体を攻撃してしまう病気です。リウマチという言葉をみなさん聞かれたことがあるかもしれません。皮膚科的な症状が多い疾患ということで、今回は全身性エリテマトーデス(SLE)についてお話ししていこうと思います。

全身性エリテマトーデスとは

全身性エリテマトーデスは、免疫複合体(その名前の通り 抗原と抗体からなる複合体 )というものが組織に沈着して起こる全身の炎症性病変を特徴とする自己免疫疾患(免疫が正常に機能しなくなり、自分の免疫システムが自分自身を攻撃する病気)と考えられています(*1,*2)。
全身性エリテマトーデスの症状は慢性の経過を取ることが多いとされています。これは全身性エリテマトーデスの原因が未だ未解明であり、病気を完全に治すことができないためです。
このため、全身性エリテマトーデスの患者さんは、病気の症状が良くなったり(寛解)悪くなったり(増悪)を繰り返すことが多いとされています。

全身性エリテマトーデスはSLEと呼ばれることがあります。全身性エリテマトーデスは英語でsystemic lupus erythematosusと呼ばれるためです。英語名が示すとおり、この病気は全身のいろいろな箇所に様々な症状を引き起こします(*3)。

全身性エリテマトーデスの原因

残念ながら全身性エリテマトーデスの原因は、現在の医学でも解明できておりません。さまざまな研究を通して、全身性エリテマトーデスの発症・増悪には以下の因子が関与していることが示唆されています(*4):

  • 遺伝要因

    遺伝的な背景

  • 環境因子

    ウイルス 紫外線 薬剤 ホルモン

  • 自己抗体の産生

    自分自身の体を攻撃してしまう
    抗体が作られてしまう

さまざまな要因が重なり合うことで、自己抗体により作られる免疫複合体(抗原と抗体からなる複合体 )が体の組織へ沈着します。これにより体の中でヒスタミンなどの化学物質が放出され、全身で色々な炎症反応が惹起されて臓器に障害が起き、これにより全身症状(ループス腎炎や血管炎)が生じると考えられております。しかしこの仮説が完全に証明されているわけではありません。

全身性エリテマトーデスに関して、一卵性双生児の場合に両方の胎児に全身性エリテマトーデスが生じる確率は25%程度と考えられています。このため、
・何らかの遺伝的素因を背景因子として
・紫外線、薬物、感染などの環境因子が加わり
全身性エリテマトーデスを発症すると推測されております。

上記のようなメカニズムのもと、
・自己抗体(自分自身に対する抗体のこと 特にDNAに対する抗体が多く作られるとされています)がDNAと結合して免疫複合体を作る
・生じた複合体が体の組織に沈着して炎症を引き起こすのではないか?
と考えられています。

このメカニズムを介して
リンパ球の減少
特発性血小板減少性紫斑病
自己免疫性溶血性貧血
といった病気が合併することもあります。

全身性エリテマトーデスの疫学

日本における全身性エリテマトーデスの有病率(病気を持つ人の割合)は少しずつ増加傾向にあります。日本の患者数はおよそ6万人~10万人程度と考えられております。
2013年にSLEとして難病の申請をしている方は、61,528人ですが、申請をしていない方、医療機関に受診していない方などを含めると、この2倍位の人がこの病気をもっていると推定されています(*5)。

男女比では女性の方に生じやすい病気であり、妊娠が可能な年齢(15-40才)の女性に起きやすい病気とされています。全身性エリテマトーデスは
白色人種には比較的少ない
有色人種には比較的多い
とする調査もあります(*6)。しかし、日本においては全身性エリテマトーデスの地域差は特に見られておりません。

全身性エリテマトーデスと妊娠(妊婦さん)

全身性エリテマトーデスの患者さんが妊娠を希望する場合、担当医師との十分な相談が必要です。全身性エリテマトーデスは母体・胎児の両方に影響を与える可能性があるからです。
具体的には以下のような影響が考えられております:

母体への影響

(1)妊娠初期や出産後に全身性エリテマトーデスが悪くなりやすい(2)全身性エリテマトーデスの症状がひどい時に妊娠すると、全身性エリテマトーデスの症状が余計ひどくなる可能性がある

赤ちゃんへの影響

(1)流産や胎児発育不全の恐れがある(2)新生児ループスと呼ばれる病気になることがある

全身性エリテマトーデスを持つ母親から全身性エリテマトーデスを持つ子供が生まれる確率については、詳細なデータが存在しないため何も言えないというのが現状です。
一方で最近の研究成果により、全身性エリテマトーデスにはさまざまな遺伝子が関与していることが示唆されています。

まとめ

・全身性エリテマトーデスは自己免疫疾患(免疫が正常に機能しなくなり、自分の免疫システムが自分自身を攻撃する病気)と考えられています。
・全身性エリテマトーデスの原因は、現在の医学でも解明できていません。
・色々な研究を通して、全身性エリテマトーデスには遺伝要因(遺伝的な背景)、環境因子(ウイルス 紫外線 薬剤 ホルモン)、自己抗体の産生が関与していると考えられています。
・全身性エリテマトーデスの患者さんが妊娠を希望する場合、担当医師との十分な相談が必要です。


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